Dancing with an Angel

言葉を見つける追いかけるつかまえる

「Everyone Says 'Hi'」 David Bowie

2002年発表のアルバム『Heathen(ヒーザン)』に収められている、

「Everyone Says 'Hi'」。

長い旅に出る君への、手紙のような歌。

ボウイさんの声もとてもやさしい。

デヴィッド・ボウイにはめずらしい、

センチメンタルで、かわいいこの曲をどう聴いたらいいのだろう?

デヴィッド・ボウイの曲を聴く時、

何か裏があるのでは、別の意味が隠されているのでは、と

額面通りに受け取れない意地悪な自分がいるのですが、

せめてこの曲は素直に聴きたいです。

YouTubeで見たのですが、

テレビの音楽番組で、ボウイさんがこの曲を歌った時に

若い頃にお父さんを亡くした時の気持ちを書いた曲

だと言っていたような気する。

そうだと思います。

父親の年を追い越す位の年齢になり、

客観的に父の死を見られるようにもなった。

安らかに旅立って行ったことを祝福する、

お父さんへの愛情がいっぱいの曲。

でもそれだけではないような気もする。

大人になる君へのメッセージ。

「君がどこにいても、変わらず君のことを愛してるよ。」

悲しい連鎖が続かないよう、

自分の存在が誰かを苦しめているかもしれないなんて

罪悪感を感じるのは、

自分だけで十分。

そんな罪悪感なんて誰にも持たせないよう、

精一杯の愛情を注いだはずのそのひとへの

人生のエールのように思えます。

隣の部屋の女の子も

上のお兄ちゃんも

ママもパパも

犬も

みんな君の家族だよ。

みんなが君のことを気に掛けているよ。

ボウイさんの家族への愛情が感じられる、

少ししんみりするけど、幸せな曲です。

私の勝手な想像であることも

付け加えておきます。