Dancing with an Angel

言葉を見つける追いかけるつかまえる

写真展『マーカス・クリンコ David Bowie Unseen』

今日は代官山のギャラリーに

『マーカス・クリンコ David Bowie Unseen』

を見に行ってきました。

 

 

 

マーカスクリンコ

 

マーカス・クリンコさんは、

デヴィッド・ボウイのアルバム『Heathen(ヒーザン)』(2002年)のジャケット写真を手掛けた

フォトグラファーです。

 

 

『Heathen』リリース前後に撮影されたという、

約20点のポートレートを中心に構成された写真展です。

 

 

『Heathen』のジャケット写真や、

雑誌『GQ』に掲載された、狼を連れている写真など、

 

 

怖れや怒り、戸惑いをボウイさん特有の品と知性で包んだような

静かな中にも険しさのある、

どこか浮世離れした作品ばかりでした。

 

 

物語の中に閉じ込められて

そこから出てこられないひとのようで、

どの写真も現実を生きているひとには思えませんでした。

 

 

写真のテーマをすぐ飲み込み、

そのまま体現してしまう

優れた被写体なのでしょうが、

 

 

それがかえって、現実を生きる人間としての存在を

希薄にしているような気がしました。

 

 

若い頃の写真を見ても照れや構えがなく、

自然に、

本名の自分から、別の人間にシフトすることができる、

そういう資質を持ち合わせているひとなのでしょう。

 

 

 

存在しているようで、存在していない、

本当にデヴィッド・ボウイっていたのかなーと思います。

本物を目の前で見ない限りは、信じられないです。

ということは、いつまでたっても私には架空のひとなのです。

悲しいですが。

 

 

 

ギャラリー内にボウイさんの曲が静かに流れていました。