Dancing with an Angel

言葉を見つける追いかけるつかまえる

映画『地球に落ちて来た男』を観て

やっと観に行ってきました。

有楽町の角川シネマ。

 

一日一回の上映で、19:15~の回のみ。

田舎からのこのこ出ていくのは、気が引ける時間帯。

なぜ、夜のみの上映なのか?

観て納得。これはレイトショーでもいいです。

 

 

で、映画ですが···、

どの登場人物にも共感できないので、

視点を変えて、

ボウイさんの異星人っぷり、

人間離れした存在感をただひたすら楽しむことにしました。

 

赤毛でやせっぽっちで、

男とも女ともつかない容姿

えらそうにしてるかと思ったら

急に激しく落ち込んだり、

ひ弱でわがままなお坊っちゃん

 

これがデヴィッド・ボウイでなくてなんなのか?

 

 

また私の変な癖で、

ニコラス・ローグ監督は、デヴィッド・ボウイに当て書きしたんじゃないの?」

と思ってしまいました。

 

それくらい、

観る側が、役をボウイさんに寄せて見てしまうのかもしれないです。

 

演じているのではなく、

そのものであるかのように存在しているのが怖いくらいでした。

 

 

 

イギリスからアメリカに単身乗り込んできて、

本気で音楽というビジネスに挑戦。

薬物中毒になりながら、もがき、

異国で戦っている。

 

宇宙人的な容姿に加え、

彼が演じたニュートンと境遇が似た人物として、キャスティングされたのかもしれません。

 

心身不健康なひとに、

自分と似たような役を演じさせたら

感情移入どころか

自分なのか役なのか混同してしまうのは

当たり前なのだと思います。

 

ボウイさんは、

その後の創作活動をする上で、ニュートンという存在に助けられたのかもしれませんが、

生涯つきまとう分身になってしまった。

 

それが幸、不幸というより、

避けることができない運命的な出会いだったのでしょう。

お互いが寄り添って

デヴィッド・ボウイ”を作り上げてきたのなら、

表現者として幸せなことです。

 

 

その証拠に最後までボウイさんは、

ニュートンの面倒を見て

一緒に旅立ったと、私は思っています。

 

 

 

この日

デヴィッド・ボウイの人生を変えてしまった映画を体験して、

ひとつ謎が解けて

また新たな謎が生まれてしまったようです。

 

 

地球に落ちてきた男

映画『地球に落ちて来た男』パンフレット

ニュートンブライス教授のシーン