舞台『LAZARUS』脚本
『LAZARUS』の内容を知りたいのはもちろんなのですが、ボウイさんがきっと何度も何度も読んで確認したこの脚本と同じものを見ている喜びや、去年の今頃どんな気持ちでこの台詞を読んでいたのか一瞬でも体感できれば。
“ラザルス”ってイエスが生き返らせたあのラザロではない?
などなど考えたのですが、違っていたようです。
(もしかしたら二重の意味があるのかも知れませんが)
詩人エマ・ラザラス (Emma Lazarus) の詩からインスピレーションを得たようなのです。
彼女が書いた、“The New Colossus”(新しい巨像)という詩が、この脚本の巻末に掲載されているのですが、これを読んで鳥肌が立ちました。
この詩と出会えただけでも良かったです。
帰りたいけれど帰れないひとびとを優しく包み込むような詩です。
この詩は自由の女神像の台座に刻まれています。
デヴィッド ボウイは、
この言葉を胸に、異国の地アメリカで寄る辺なく生きていたのだろうか?
イギリスへ帰りたいという気持ち
アメリカへの思い
その“引き裂かれた”感情が、
舞台『ラザルス』の源なのかもしれない。